月別アーカイブ: 2017年11月

身体はまっすぐになるのか

姿勢改善

背骨(以下脊椎)が完全にまっすぐになることはありません。 まっすぐな人間はいません。  右利きの人は左足を軸足として動作を行っています。野球のバッティングやゴルフのスイングを思い浮かべればお解りだと思います。よって左足加重の傾向が強いのです。左足加重になると、それなりの歪みかたとなります。よく、「右足が短い」といわれるアレです。私の経験上、右利きの99パーセントの方が同じ歪み方となります。関節を支える筋肉のクセです。 多少、右足が短いと言われようと、骨盤が歪んでいると言われようと、まだ痛みが出ているとは限りません。 微妙に歪んでいるのが正常です。もし、完全にまっすぐであればスムーズな動きはできません。  問題となるのは歪みが大きくなり、動き(以下関節の遊び)がなくなることです。    関節の遊びとは何でしょうか。手首の関節を例にしてご説明します。一方の手首を自分で掌側に限界まで曲げた状態で、もう一方の手の人差し指で曲げた方の手の甲を軽くつついて見てください。わずかに動きます。これが関節の遊びです。  この関節の遊びをつける(取り戻す)ことが関節の矯正なのです。関節の遊びをつけることにより、骨が勝手に元の位置に戻ります。 脊椎の関節の遊びがなくなると、その上下の関節に動きが付きすぎて負担がかかり、その周囲の筋肉が支えようとして硬くなり、痛みの原因となります。  ※関節の動きは、屈曲、伸展、左右の側屈、左右の回旋の6方向あります。 もちろん関節の遊びも6方向になくてはなりません。  脊椎の関節がある方向に遊びがない場合、反対方向に「ズレている」と表現されることがあります。 この言葉が誤解を与えているのだと思います。脱臼の場合を除いて関節が外れることはありません。骨の位置を決める筋肉や関節の皮膜が硬くなっているのです。 続きを読む

インナーマッスルを鍛えると姿勢は改善するのか?

姿勢改善

インナーマッスルが大事だと言っている人はどこがインナーマッスルか言えるのか? 皆さんはインナーマッスルと聞いて、どのようなイメージを持たれますか?  ・姿勢を良くする・軸が安定する・フォームが良くなる・鍛えると、怪我をしにくくなる・鍛えると、痩せやすくなる どれも間違ってはいないのかもしれませんが、この視点でみれば、インナーとアウターの区別は出来ません。 どのイメージも、アウターマッスルにも当てはまります。 ある文献ではインナーマッスルは、「身体の深層にある筋肉」と分類されます。 一方、アウターマッスルは、「表層の筋肉」と分類されています。 しかし、どの筋肉がインナーマッスルか、きちんと区別されていません。文献によって解釈が違うようです。 また、作用なども区別をされています。「インナーマッスル=動作の安定性を保つ。」「アウターマッスル=動作の大きな力を出す。」などと言われています。 インターネットで調べると、大抵このように言われているようです。 しかし、本当に、このような分け方ができるのでしょうか?アウターマッスルも、動作の安定性を保つように作用することもあります。 言われる通り、アウターマッスルは、大きな力を出すために必要ですが、同時にインナーマッスルも大きな力を出すために働いているのです。 動作の安定性を保つ作用においても同様です。インナーマッスルもアウターマッスルも働いています。 歩いている時に、アウターマッスルが身体を前方に推し進めてインナーマッスルがぶれないように働くなどという区別があるとは思えません。インナーマッスルもアウターマッスルも協力して役割を果たしています。 インナーマッスルを鍛えるだけでは姿勢は改善しない 「インナーマッスルを鍛えれば、姿勢は良くなるのか?」についてですが、これは正しくはありません。 前述のように、インナーマッスルとアウターマッスルの作用上での区別はほとんどありません。姿勢を作り上げていくのは全身の筋肉です。 姿勢を改善していくためには、インナーマッスルもアウターマッスルも、両方をストレッチしたり、トレーニングする必要があります。 また、たの記事でも述べたとおり、インナーマッスルだけのトレーニングをする必要はありません。アウターマッスルのトレーニングでインナーマッスルも鍛えられるからです。 まとめると、インナーマッスルを鍛えても姿勢は改善しない。アウターマッスルも鍛えることが大事 要は、インナーマッスルをそのエクササイズで鍛えるということでなく、姿勢改善に必要な筋肉を動員して、エクササイズをするというのが、本質だと考えます。 ですので、「インナーマッスルを鍛えても姿勢は改善しない。アウターも関係なくトレーニングすることが大事。そして、インナーとアウターのはっきりした違いはない。」ということになります。 インナーマッスルという言葉にとらわれず、トレーニングをしていきましょう。        続きを読む