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インナーマッスルを鍛えると姿勢は改善するのか?

姿勢改善

インナーマッスルが大事だと言っている人はどこがインナーマッスルか言えるのか? 皆さんはインナーマッスルと聞いて、どのようなイメージを持たれますか?  ・姿勢を良くする・軸が安定する・フォームが良くなる・鍛えると、怪我をしにくくなる・鍛えると、痩せやすくなる どれも間違ってはいないのかもしれませんが、この視点でみれば、インナーとアウターの区別は出来ません。 どのイメージも、アウターマッスルにも当てはまります。 ある文献ではインナーマッスルは、「身体の深層にある筋肉」と分類されます。 一方、アウターマッスルは、「表層の筋肉」と分類されています。 しかし、どの筋肉がインナーマッスルか、きちんと区別されていません。文献によって解釈が違うようです。 また、作用なども区別をされています。「インナーマッスル=動作の安定性を保つ。」「アウターマッスル=動作の大きな力を出す。」などと言われています。 インターネットで調べると、大抵このように言われているようです。 しかし、本当に、このような分け方ができるのでしょうか?アウターマッスルも、動作の安定性を保つように作用することもあります。 言われる通り、アウターマッスルは、大きな力を出すために必要ですが、同時にインナーマッスルも大きな力を出すために働いているのです。 動作の安定性を保つ作用においても同様です。インナーマッスルもアウターマッスルも働いています。 歩いている時に、アウターマッスルが身体を前方に推し進めてインナーマッスルがぶれないように働くなどという区別があるとは思えません。インナーマッスルもアウターマッスルも協力して役割を果たしています。 インナーマッスルを鍛えるだけでは姿勢は改善しない 「インナーマッスルを鍛えれば、姿勢は良くなるのか?」についてですが、これは正しくはありません。 前述のように、インナーマッスルとアウターマッスルの作用上での区別はほとんどありません。姿勢を作り上げていくのは全身の筋肉です。 姿勢を改善していくためには、インナーマッスルもアウターマッスルも、両方をストレッチしたり、トレーニングする必要があります。 また、たの記事でも述べたとおり、インナーマッスルだけのトレーニングをする必要はありません。アウターマッスルのトレーニングでインナーマッスルも鍛えられるからです。 まとめると、インナーマッスルを鍛えても姿勢は改善しない。アウターマッスルも鍛えることが大事 要は、インナーマッスルをそのエクササイズで鍛えるということでなく、姿勢改善に必要な筋肉を動員して、エクササイズをするというのが、本質だと考えます。 ですので、「インナーマッスルを鍛えても姿勢は改善しない。アウターも関係なくトレーニングすることが大事。そして、インナーとアウターのはっきりした違いはない。」ということになります。 インナーマッスルという言葉にとらわれず、トレーニングをしていきましょう。        続きを読む

インナーマッスルについて その2

筋トレ

インナーマッスルトレーニングは必要なのか  前回の続きです。インナーマッスルを鍛えるトレーニングをよくみます。 インナーマッスルを鍛えると怪我をしにくくなる? インナーマッスルはマッスルと名前はついているけれども、属性としては靭帯です。骨折を避けて力をリリースさせて脱臼させるために、関節の固定の一部が筋肉(インナーマッスル)になっているのです。80年代半ばから90年代初頭にかけて、アメリカの科学者が、スポーツ選手が怪我をしやすい原因として、アウターマッスルに対して、インナーマッスルが弱いからではないかと仮説を立てて、インナーマッスルトレーニングを推奨し始めました。そこから20年以上経った今、インナーマッスルを鍛えても怪我の発生率は変わらなかったとのことです。 いまでは、アウターマッスルのトレーニングを行えば、それ相応にインナーマッスルも強くなるとされています。アメリカでは、わざわざインナーマッスルのトレーニングはしないそうです。 インナーマッスルを鍛えると基礎代謝が上がり痩せやすくなる?.インナーマッスルを鍛えても、基礎代謝が上がるかどうかは疑問です。  日本では、インナーマッスルトレーニングにまつわるビジネスがたくさんあるので、しばらくは続くでしょうね。 そのうちほとぼりが冷めることでしょう。 あなたが鍛えているのはインナーマッスルですか? 体幹トレーニングをして、インナーマッスルを強くしよう!などと言ってる人が周りにいませんか? アウターマッスルのトレーニングをしているのに、インナーマッスルのトレーニングだと言っています。体幹の筋肉=インナーマッスルではありませんよ。 体幹トレーニング自体、ほとんどの人には必要ないのに・・・※詳しくは「体幹トレーニングについて思うこと」参照。 正しいフォームで運動していれば、体幹を自然に使いますので、わざわざやらなくても良いです。  それに、体幹だけを鍛えたら、寸胴になりますけどいいんですか?           続きを読む

インナーマッスルについて その1

解剖

 インナーマッスルとは何か 最近、「体幹」とか「インナーマッスル」という言葉をよく聞くようになりました。そして様々な都市伝説があります。 ・インナーマッスルを鍛えると痩せる?・インナーマッスルを鍛えるとスタイルが良くなる?・インナーマッスルを鍛えると怪我をしにくくなる?  ところで、「インナーマッスル」というのはどこにあってどんな筋肉なのかご存知でしょうか?インナーとは「内部の」とか「奥の」と言う意味です。洋服でも上着をアウター、中に着るものをインナーと言います。英語をそのまま訳せば、「内側の筋肉」ということになります。 インナーマッスルは筋肉の名前ではない 人間の筋肉は体の中心に近い部分から表層まで、何層にも重なっています。この中で、比較的深い部分にある筋肉がインナーマッスルと呼ばれています。インナーマッスルを「深層筋」と呼んでいる文献もあります。インナーマッスルとは、どこか一つの筋肉のことではなく、体の奥のほうにある筋肉の総称だとご理解ください。 これに対して、体の表層の筋肉はアウターマッスルと呼ばれています。大胸筋や上腕二頭筋などもこのアウターマッスルと言われています。アウターマッスルは大きな力を出す事ができます。動作のメインの力を出します。 インナーマッスルとアウターマッスルを明確に区別する基準のようなものは存在していないようです。というより文献によって違いがあるようです。 インナーマッスルには、姿勢の調節、関節の位置を正常に保つなどの働きがあると言われていますが、本当でしょうか。 インナーマッスルの大事な働きとは  インナーマッスルで体型が変わることも無ければ、力もありません。持久力も増えません。ではどんな働きがあるかと言うと、骨折を防ぎ脱臼させるためです。 なんのこっちゃと思いますよね。インナーマッスルは、筋肉ですが、属性としては靭帯です。肩関節の構造でみてみましょう。肩関節はソケット上になっています。片方が臼状で片方が球状です。そこに何個かの靭帯がついて関節の動きを制限し、間にインナーマッスルが付着しています。これだったら靭帯だけでいいじゃないかと思いますよね? 関節に大きな力が加わった時に、脱臼、または骨折します。通常は脱臼することが多いです。実はこれがインナーマッスルのおかげなんです。 もしインナーマッスルがなかったら、靭帯が切れる前に骨が引っ張られて骨折してしまいます。靭帯はそれほど強いのです。靭帯の隙間にインナーマッスルがあることで、力の逃げ場となり、そこから脱臼し、骨折を免れているのです。これがインナーマッスルの本来の働きです。 続きは次回に・・・  続きを読む